股関節は、立ったり歩いたりという動作時に体重を支える役割を担っており、歩いている時は体重の3倍ほど、立ち上がる時には体重の数倍もの負荷がかかると言われています。

地面からの衝撃を吸収し、骨盤を中心に股関節が左右から支えることで上半身の安定も助けています。

股関節は骨盤と繋がっているため骨盤がゆがんでしまうと歩き方にも影響が出てしまうこともあります。

股関節は、脚の付け根の大腿骨を関節が包み込むことで脚を色々な方向へ動かせるようにできています。

この股関節内の動きが悪くなることが、股関節の痛みの原因だと言われています。

股関節痛の原因は主に次のようなものが挙げられます。

●変形性股関節症

股関節のクッションの役目を果たしている軟骨がすり減るなどで骨盤と大腿骨の結合部が炎症を起こしたり変形してしまうことで起こる病気です。

このすり減りや変形はさまざまな要因で発生するため、股関節痛の原因で最も多くみられる症状だと言われています。

●骨盤のゆがみ

骨盤がゆがむことで身体のバランスが崩れ、股関節を動かす大臀筋や中臀筋、梨状筋、大腰筋、大腿四頭筋などの多くの筋肉に偏った負担がかかり、股間節自体のゆがみと痛みを引き起こすことがあります。

●スポーツによるケガや負担

スポーツ中に靭帯や腱、軟骨などの組織を損傷してしまうことで股関節にも捻挫が起こります。

また、オーバーユースなどで股関節や周囲の筋肉に疲労が溜まっていると筋線維を痛めてしまい、お尻の肉離れなどを起こすこともあります。

柔軟性が低い状態でスポーツなどをすることも股関節を痛めてしまう誘因となります。

●婦人科系の病気

子宮筋腫・卵巣腫瘍が大きくなったり炎症を起こしてその周辺の組織と癒着し硬化してしまうと、骨盤内の神経を圧迫したり刺激したりして、股関節痛が発生することがあります。

股関節の痛みは腰を支える筋肉や靭帯、太ももに伸びる筋肉と密接な関係があり、痛みの出る場所によって負担のかかる筋肉が異なります。

そのため股関節に痛みがある場合、脚を無意識にかばう動きをしてしまうため、余計に腰や膝、足首などへの負担がかかり痛みが広がる可能性があります。